「ピンタンブラー錠」は、シリンダー錠の中でももっともポピュラーなタイプの一つであり、長さの異なるピンを並べているタイプです。ピンが一列に並んだ単列のタイプが一般的であり、発祥はなんと、紀元前4000年のエジプトと非常に長い歴史を持っていて、当時のそれは木製でした。水平ボルトが扉と壁などを貫通することによって、閉じられている当時のピンタンブラー錠を開けるためには、ピンタンブラー錠のピンにあたる、「鉛直ボルト」を適当な高さまで持ち上げる必要がありました。その後、長い時間を経て1848年にライナス・エール(Linus Yale, Sr.)によって、円筒状のピンタンブラー錠が発明されました。そして、その13年後の1861年、息子のライナス・エール・ジュニア(Linus Yale, Jr.)が、改良を加えるに至り、それこそが現在のピンタンブラー錠と同じものなのです。 仕組みは内筒と外筒の二重構造であり、内筒が回転することによって、施錠、あるいは解錠されます。内筒はプラグと呼ばれ、このプラグに鍵を刺すための鍵穴がついており、プラグの反対側は原動車として回転して、従動軸に複雑な運動を与えるカムというものになっていることが多いです。